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外来管理加算とは?点数・算定要件・算定できないものを解説

2026年8月31日 ・ 下地

外来管理加算とは再診時の計画的な医学管理を評価する52点の加算です。2026年度の算定要件、対象外行為、診療録(カルテ)の確認順を整理しました。約8分で診療行為名だけに頼らない請求前の判断手順を確認できます。

【結論】外来管理加算は4つの条件をすべて満たす場合に算定候補となる

外来管理加算とは再診患者への計画的な医学管理を評価する加算です。2026年度時点も52点と点数の増減はありません。初診、電話・オンライン再診、家族のみの受診は対象外となります。算定にあたり問診、診察、説明、患者別記録が必要です。根拠は厚生労働省の医科点数表留意事項通知から確認できます。レセプトコンピューター(レセコン)の自動算定に判断を頼るのではなく次の4段階で確認しましょう。


外来管理加算の算定要件と4段階の判断フロー

外来管理加算の算定要件は次の順に確認すると整理しやすくなります。

外来管理加算を算定候補・算定不可・確認保留に分ける4段階の判断フロー

1.初診料ではなく再診料で算定する

外来管理加算はA001再診料の注8に定める加算です。初診料を算定する受診で加算できません診療所または一般病床200床未満の病院が対象です。最初に算定要件と初再診区分を確認しましょう。

2.医師が必要な問診・身体診察・説明を行ったか

医師は患者の症状に応じて問診と身体診察を行います。そのうえで病状や療養上の注意を説明し患者の疑問や不安へ対応します。単なる継続処方や短い検査結果の伝達だけではなく、計画的な医学管理の実態が必要です。留意事項通知のA001で具体的な考え方を示しています。

3.対象外の検査・処置・管理料等を算定していないか

  • 指定された 生体検査8区分(超音波検査等、脳波検査等、神経・筋検査、耳鼻咽喉科学的検査、眼科学的検査、負荷試験等、ラジオアイソトープを用いた諸検査、内視鏡検査) は対象外です。
  • リハビリ、処置(浣腸、高位浣腸、注腸、吸入、尿道洗浄、導尿(ロ、その他)、ネブライザー、滋養浣腸以外)、手術、麻酔などにも注意しましょう。

慢性疼痛疾患管理料や加算を包括する医学管理料の有無についても確認します。「検査あり=すべて算定不可」という意味ではありません。

4.患者ごとの聴取事項・診察所見を記録したか

カルテには患者から聞いた内容と診察所見の要点を残します。全患者に同じテンプレートを使用するだけではカルテ内容として不十分です。症状、身体所見、医学的判断や根拠、患者に対する説明や指示が実際の診療と対応しているかを確認します。


外来管理加算を算定できない検査一覧

算定できない検査の8区分

対象外となる生体検査は次の8区分です。名称が近い検査でも所属区分が異なるため一般名ではなく診療行為コードで確認します。

算定できない区分主な例
超音波検査等心臓超音波、腹部超音波
脳波検査等脳波検査
神経・筋検査筋電図、神経伝導検査
耳鼻咽喉科学的検査聴力検査など
眼科学的検査眼底検査など
負荷試験等心肺運動負荷試験など
RI(放射性同位元素)を用いた諸検査シンチグラフィ関連検査
内視鏡検査胃・大腸内視鏡など

採血・尿検査・心電図・レントゲン・超音波・内視鏡の可否

実務現場では心電図、超音波エコー、内視鏡検査等の「生体検査」が混同しやすいという声が上がっています。診療内容に「生体検査」があるというだけで判断せずに点数表上の所属区分を見ましょう。

診療行為正式区分/コード例結論条件・例外確認記録
採血・尿検査検体検査/採血料条件付きで可対象外行為がなく、全要件を満たすオーダー・カルテ
標準12誘導心電図D208条件付きで可指定8区分外コード・カルテ
負荷心電図D209条件付きで可名称でなく所属区分で判断コード・実施内容
ホルター心電図D210条件付きで可指定8区分外コード・カルテ
レントゲン第4部画像診断条件付きで可指定8区分外オーダー・カルテ
超音波D215等不可超音波検査等に該当コード・実施記録
内視鏡第3節内視鏡検査不可指定8区分に該当コード・実施記録

上表の区分と除外範囲は令和8年度医科点数表で確認できます。「条件付きで可」は検査のみで算定できるという意味ではありません。同日に指定8区分の診療行為の有無や身体的診察の有無、カルテ内容の記載、医学管理料等に包括されているかということが関係します。また同日再診や複数科受診、電話再診等受診方法についても同様の条件や制限が適用されます。

処置・手術・麻酔・リハビリ等を行った場合

第7部から第12部の対象行為を行った日は原則として外来管理加算を算定できません。対象にはリハビリ、処置、手術、麻酔などがあります。一方、注射については算定不可に含まれません。吸入、浣腸、小範囲の軟膏処置は簡単な処置に含まれる場合があります。診療行為名だけで不可と判断せずコードと請求区分を確認しましょう。診療行為として請求しなくても算定可能とは限りません。診療実態を示して院内責任者へ確認します。

生活習慣病管理料など併算定に注意する管理料

管理料外来管理加算との関係
生活習慣病管理料(I)(II)算定日は包括されるため別算定不可。同月の別日は、要件を満たせば算定可
慢性疼痛疾患管理料同月内に算定不可(ただし例外あり)*
特定疾患療養管理料算定可能。診察内容の詳細と他の包括規定を確認

*慢性疼痛疾患管理料を算定する前の診察で外来管理加算を算定した場合は、例外として同月内に混在することがあります。

全ての医学管理料に当てはまるものではないので一概に判断できません。医学管理料等の名称、算定日、算定単位、包括範囲を令和8年度の告示・通知で個別に照合します。


外来管理加算のケース別算定可否

注射・吸入・浣腸・軟膏処置を行った場合

注射単体は外来管理加算の除外行為にはなりません。吸入、浣腸、狭い範囲の軟膏処置も基本診療料に含まれる簡単な処置なら算定可能ですが実際の診療コードが第9部「処置」等なら算定できません。

薬のみ・家族のみ・電話やオンラインで対応した場合

ケース結論判断条件
本人を診察せず、薬だけ渡す不可計画的医学管理と必要な身体診察がない
家族のみが来院不可患者本人を直接診察していない
本人の診察に家族が同席条件付き本人への診察と全要件があれば算定可能
電話等再診不可通知上の除外
情報通信機器による再診(オンライン等)不可通知上の除外

実務上の確認ポイント

弊社の約10年の医療事務経験を持つ事務員は次の方法で確認していました。

  • 家族のみの来院は、受付時に目印を付ける
  • 電話再診は、医師と記録方法を共有する
  • 外来管理加算の算定後に、日次確認を行う

検査のみ・検査結果を説明した場合

診察で検査結果を渡す場合外来管理加算は算定できません。簡単に結果を伝えるだけの場合も同様です。当日に新たな問診や診察を行った場合は別の扱いとなります。診察時に医師が検査結果を踏まえたうえで今後の治療方針や療養上の指示を決めます。その内容を詳細に記録できれば算定可能です。検査結果の正常・異常や通院予定の有無だけで算定可否は決まりません。

往診や複数科受診の場合

往診料を算定する場合も再診料と外来管理加算の要件を満たせば算定できます。同日2科目の再診料は39点で2科目側に外来管理加算は算定できません。また、一方の科で処置や手術等を行った場合はもう一方の科でも算定できません。これは留意事項通知に示されています。


外来管理加算のカルテ記載と請求前チェック|算定漏れ・過剰算定を防ぐ

カルテに記載する聴取事項・診察所見・説明内容

カルテ内に記録するのは各患者の訴えや現在または最近の病態、必要な診察所見(身体所見等)、医学的判断、患者への説明・指示です。実際に患者から聴取した事実を前回の病態の変化と結び付けます。

実際の現場でカルテ内に検査を指示した根拠の記載がない事例がありました。医師へ確認し、診察所見と医学的判断による検査の根拠が必要であった事例です。勝手な推測で判断せず院内方針に従って医師に事実を確認し適切にカルテ内へ追記します。

レセコンの自動算定を含む7項目の請求前チェック

  • 初再診区分と同日複数科・複数回受診を確認した

    確認資料:会計画面・受診履歴

    保留:初診日の再来や同日2回受診の一連性が不明

  • 患者本人を対面で診察した

    確認資料:受付区分・カルテ

    保留:家族のみ、電話、オンラインの区分が不明

  • 必要な問診、身体診察、患者への説明を行った

    確認資料:カルテ

    保留:結果伝達や継続処方だけに見える

  • 外来管理加算の対象外となる検査・処置等がない

    確認資料:オーダー・診療行為コード

    保留:一般名と正式区分が一致しない

  • 医学管理料の包括・併算定条件を満たす

    確認資料:当月算定履歴・カルテ

    保留:同日・別日・同月の扱いを確定できない

  • 患者ごとの診療内容をカルテに記録した

    確認資料:カルテ

    保留:定型文のみで患者固有の事実がない

  • オーダー、コード、摘要、自動算定が実際の診療内容と一致する

    確認資料:レセコン・オーダー・カルテ

    保留:未実施オーダーやコード不一致がある

実務上の確認ポイント

弊社の2名の実務経験者は次の順で確認する運用を勧めています。

  1. 医師のオーダーとカルテを照合する
  2. 家族のみの来院、電話再診、複数科受診に該当しないか確認する

レセコンによってはエラーが表示されないため、自動算定機能だけでは判断できません。

現場で起きやすい算定漏れ・過剰算定の事例

電話再診の過剰算定:レセコンが外来管理加算を付けたまま会計へ進む事例がありました。受付時の受診識別、カルテ内への「電話」記録や詳細な経緯、最終的に日次点検を組み合わせて再発を防ぎます。

超音波検査日の過剰算定:心臓超音波検査を行った日に外来管理加算を算定したまま複数科の診療内容確認で発見した事例がありました。会計前に全受診科のオーダーとコードを確認します。

これらは匿名の個別経験です。全国共通の結論は厚生労働省の保険診療確認事項リストと2026年度資料で裏付けました。

判断できないときの院内エスカレーション

まず担当医へ事実を確認し医事・レセプト責任者へ回してください。外部照会が必要なら受診時系列、診療行為コード、算定予定項目、カルテ要旨、参照した通知を整理しましょう。照会先は厚生労働省の都道府県別一覧で確認できます。回答日時、部署、回答要旨も院内で共有できるように記録へ残しておくことも重要です。

判断保留や査定が続く場合は一定期間のレセプトを抽出し、除外理由別に分類してレセコン設定と院内手順を点検します。


外来管理加算のよくある質問

外来管理加算は月何回まで算定できますか?

医科点数表には月○回という一律の上限はありません。標榜科関係なく、算定要件を満たす再診で算定できます。診療内容によって対象外行為や管理料の包括条件が異なるため毎回確認するようにしてください。

外来管理加算は初診時に算定できますか?

初診料を算定する時は算定できません。初診日の予期しない再来(再診)は再診料が成立する診療かを含め一律に判断せず個別確認します。

同日再診でも外来管理加算を算定できますか?

同日の再診料が認められても外来管理加算の算定については自動的に認められるわけではありません。来院理由や初回診療との一連性、各回の診察内容、対象外行為の有無を整理し判断を保留してください。

診察時間は5分以上必要ですか?

必要ありません。診察上の5分ルールは2010年度改定で廃止され現行制度に時間要件はありません。この加算は患者の療養上の疑問や不安を解消することが大前提になるため必要な診察・説明・患者別記録がなければ対象外です。廃止経緯は厚生労働省の外来管理加算の見直し資料で確認できます。

外来管理加算は2026年度に廃止されましたか?

廃止されていません。2026年度の医科点数表でも52点です。審議会等の意見と告示上の制度変更は分けて確認しましょう。


まとめ|外来管理加算は行為・診察内容・記録の3点で確認する

外来管理加算の要点は次の6つです。

  • 2026年度の点数は52点で制度は廃止されていない
  • 初診算定時ではなく要件を満たす再診時が対象になる
  • 電話・オンライン再診や家族のみの来院では算定できない
  • 採血や心電図は一律に算定不可ではなく正式区分から判断する
  • 超音波検査や内視鏡検査など指定された8区分は算定対象外になる
  • 会計時の自動算定後は診察内容(根拠や経緯)と患者別記録を確認する

算定前に「診療行為」「診察内容」「カルテ記載内容・仮レセプト」を確認してください。迷う場合は保留し担当医や医事責任者へ確認します。ミスが続くようなら一定期間のレセプトを抽出し除外理由別に点検することも有効です。

引用

2026年度対応:2026年6月1日施行の診療報酬を基準にしています。個別請求は、実施内容と診療行為コードをそろえて判断してください。

本記事は診療報酬算定に関する情報提供を目的としています。個別請求の可否を保証するものではありません。最終判断は診療内容と最新資料を基に院内責任者等へ確認してください。