高額医療費制度(高額療養費制度)とは?2026年上限額改正と申請方法
2026年8月5日 ・ 下地
「高額医療費制度」の正式名称は、高額療養費制度です。1か月の保険診療の自己負担額が上限を超えると、超過分が支給される制度です。
ただし、自己負担額の上限は年齢や個人の所得や診療する月によって変わり、加入する医療保険によって、申請先や必要書類も異なります。
また、2026年8月1日からは自己負担額の上限金額が変更になるため注意が必要です。
この記事では、自己負担額の上限額と償還される額、高額療養費対象外費用を分けて説明します。参考資料は2026年7月29日時点の公式資料を使用しています。最新情報は厚生労働省のホームページで確認することをおすすめします。自己負担限度額から申請方法まで、約12分で確認できます。
高額医療費制度を使うなら最初に確認する3項目
最初に確認するのは、加入保険、診療月、年齢・所得区分です。高額療養費は月の1日から末日までを単位に計算します。医療費の支払い前に高額療養費制度の申請手続きが済んでいるのであればマイナ保険証で窓口負担を抑えることができます。医療費の支払い後に申請手続きするのであれば加入する保険者へ申請します。次の早見表から、自分に該当する自己負担額の上限表と申請先を確認してください。
加入保険ごとの問い合わせ先
| 加入している医療保険 | 主な問い合わせ先 |
|---|---|
| 協会けんぽ | 協会けんぽ支部 |
| 健康保険組合 | 加入している健康保険組合 |
| 共済組合 | 加入している共済組合 |
| 国民健康保険 | 市区町村の国保窓口 |
| 後期高齢者医療 | 後期高齢者医療広域連合または市区町村窓口 |
支払い状況ごとの手続き
| 支払い状況 | 次の手続き |
|---|---|
| これから支払う | 医療機関の受付で、マイナ保険証で限度額情報の提供に同意します。利用できない場合は、保険者へ限度額適用認定証を申請します。 |
| すでに支払った | 領収書などを確認し、保険者へ高額療養費支給申請書を提出します。申請期限は原則、診療月の翌月1日から2年です。 |
保険者や医療機関によって必要書類・受付方法が異なります。最終的な手続きは加入先へ確認してください。
高額療養費制度とは?対象費用と2026・2027年改正
高額療養費制度は、家計に対する医療費の自己負担が過重なものとならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度であり、保険診療の自己負担額を年齢や所得に応じ上限を定める制度です。単に「医療費が高ければ戻る制度」ではありません。
高額療養費制度は1か月の保険診療の負担を抑える制度
高額療養費は、同じ暦月の自己負担額を基に計算します。暦月とは、月の1日から末日までです。
たとえば1月15日から2月15日まで入院したとします。この場合、医療費1月分と2月分は別々に計算します。そのため、自己負担額はそれぞれの月で上限額まで医療機関から請求されるので支払う必要があります。
窓口での医療費負担を抑える方法は、主に次の2つです。
- マイナ保険証で、自己負担限度額を確認し、高額な窓口負担を抑える。
- 先に医療費を自己負担し、上限超過分を後から保険者へ申請し、償還払いとしてもらう。
高額療養費の上限は、通常の自己負担割合とは別です。負担割合が3割負担の人でも、月の自己負担額に所得別の上限額があります。
厚生労働省の制度案内でも、年齢と所得によって上限が定められると説明されています。
高額療養費制度の対象になる費用・対象にならない費用
対象になるのは、公的医療保険が適用される診療の自己負担額です。医科、歯科、調剤薬局などが該当します。
一方、次の費用は基本的に高額療養費へ含めません。
| 費用 | 高額療養費 | 注意点 |
|---|---|---|
| 保険診療の自己負担 | 対象 | 月、年齢、所得等の条件あり |
| 入院時の食事代 | 対象外 | 低所得者の減額制度は別に確認 |
| 差額ベッド代 | 対象外 | 個室利用料など |
| 先進医療の技術料 | 対象外 | 共通する保険診療部分は対象になり得る |
| 自由診療 | 対象外 | 保険適用外の治療 |
| 入院中の日用品 | 対象外 | 衣類やアメニティ、テレビ代など |
協会けんぽは、入院時食事療養・入院時生活療養費の自己負担や保険外併用療養費の差額部分を対象外としています。
先進医療は、技術料と通常診療部分を分けて考えます。厚生労働省によると、先進医療の技術料は全額自己負担です。
2026年8月・2027年8月の変更点
2026年8月から、月額上限の引き上げと年間上限の新設が施行されました。年間上限の計算期間は8月から翌年7月までです。2027年8月には所得区分の細分化など、次段階の見直しが予定されています。
| 項目 | 2026年7月まで | 2026年8月〜2027年7月 | 2027年8月以降 |
|---|---|---|---|
| 月額上限 | 改定前の額 | 医療費の伸びを反映した額 | 所得区分ごとに再設定予定 |
| 所得区分 | 改定前の区分 | 原則として従来の区分 | より細かく分割予定 |
| 年間上限 | 一部の外来特例など | 8月〜翌7月の上限を新設 | 継続予定 |
| 多数回該当 | 改定前の額 | 原則据え置き | 低所得区分の一部を見直す予定 |
現在の制度と今後の予定は厚生労働省の最新案内で確認してください。
出典:厚生労働省の2026年8月上限表。改定前後の確認には、DOCXで参照されていた厚生労働省の現行制度資料も使用しています。
高額療養費の自己負担限度額と払い戻し額の計算
払い戻し額は、窓口負担から自己負担限度額を引いて求めます。ただし、対象外費用は計算へ含めません。
70歳未満の自己負担限度額
2026年8月から2027年7月までの上限は次のとおりです。会社員などは標準報酬月額、国保は旧ただし書所得など、保険者が定める区分で判定します。
| 所得区分の目安 | 1か月の自己負担限度額 | 多数回該当 | 年間上限 |
|---|---|---|---|
| 標準報酬月額83万円以上 | 270,300円+(総医療費-901,000円)×1% | 140,100円 | 1,680,000円 |
| 標準報酬月額53万〜79万円 | 179,100円+(総医療費-597,000円)×1% | 93,000円 | 1,110,000円 |
| 標準報酬月額28万〜50万円 | 85,800円+(総医療費-286,000円)×1% | 44,400円 | 530,000円 |
| 標準報酬月額26万円以下 | 61,500円 | 44,400円 | 530,000円 |
| 住民税非課税 | 36,900円 | 24,600円 | 290,000円 |
標準報酬月額26万円以下のうち年収約200万円未満と確認された人には、年間上限410,000円を適用し、2027年8月以降に超過分が償還される特例があります。所得確認と支給方法は加入保険者へ確認してください。
国保加入者は、年収だけで区分を決めないでください。
自治体の国保窓口で、診療月に使う所得区分を確認しましょう。会社員等は、資格情報と標準報酬月額を保険者へ確認します。
70歳以上・75歳以上の自己負担限度額
70歳以上は、外来の個人上限と世帯上限を分けて計算します。75歳以上の窓口負担割合も、所得によって1〜3割に分かれます。
次は2026年8月から2027年7月までの代表的な上限です。
| 所得区分 | 外来の個人上限 | 外来+入院の世帯上限 | 年間上限 |
|---|---|---|---|
| 現役並み所得III | 適用なし | 270,300円+(総医療費-901,000円)×1% | 1,680,000円 |
| 現役並み所得II | 適用なし | 179,100円+(総医療費-597,000円)×1% | 1,110,000円 |
| 現役並み所得I | 適用なし | 85,800円+(総医療費-286,000円)×1% | 530,000円 |
| 一般 | 22,000円(年216,000円) | 61,500円 | 530,000円 |
| 住民税非課税・区分II | 11,000円(年96,000円) | 25,700円 | 290,000円 |
| 住民税非課税・区分I | 8,000円 | 15,700円 | 180,000円 |
75歳以上の手続きは、後期高齢者医療広域連合が担当します。一例として東京都の上限と手続きは広域連合の公式ページで確認できます。
また地域によって申請案内や振込時期が異なるので、詳しくは居住地の市区町村または広域連合へ確認してください。
医療費100万円のとき、いくら戻るかを計算
70歳未満で標準報酬月額28万〜50万円の例を見ます。総医療費は100万円、窓口負担は3割の30万円とします。
したがって、自己負担額支払い後、償還払い申請による払い戻しの概算は212,570円です。
| 診療月 | 窓口で3割を払った場合 | 自己負担限度額 | 払い戻し概算 |
|---|---|---|---|
| 2026年7月まで | 300,000円 | 87,430円 | 212,570円 |
| 2026年8月〜2027年7月 | 300,000円 | 92,940円 | 207,060円 |
2026年8月の例は協会けんぽの2026年版ガイドにも掲載されています。
食事代や差額ベッド代が5万円ある場合、その5万円は別負担です。最終的な家計負担は、限度額だけでは判断できません。
自己負担上限の概算
制度改定の時期・年齢・所得区分で試算
概算結果
- 1か月の自己負担上限
- 92,940円
- 払い戻し見込み
- 207,060円
- 対象外費用を含む最終負担
- 142,940円
医療費総額と窓口支払額は別の入力です。世帯合算、外来個人上限、公費負担などは反映していない簡易試算です。
この計算機は概算用です。世帯合算、70歳以上の外来個人上限、公費負担、保険者変更、月途中の75歳到達などは反映していません。確定額は加入保険者へ確認してください。
高額療養費の申請方法・必要書類・期限
申請先は、治療を受けた月に加入していた医療保険です。現在の勤務先で加入している保険者ではない場合があるため注意しましょう。
申請先は加入している医療保険
資格確認書やマイナポータルで、保険者名を確認します。
| 資格情報の表示 | 主な申請・確認先 |
|---|---|
| 全国健康保険協会 | 記載された協会けんぽ支部 |
| ○○健康保険組合 | その健康保険組合 |
| ○○共済組合 | その共済組合 |
| 市区町村名 | 市区町村の国保窓口 |
| ○○後期高齢者医療広域連合 | 広域連合または市区町村窓口 |
厚生労働省も、最初に加入保険者を確認するよう案内しています。
協会けんぽでは、電子申請と紙の郵送申請に対応しており、公式申請ページでは、電子申請の処理状況も確認できます。
国保は自治体ごとに運用が異なり、新宿区、大阪市、横浜市でも通知や自動振込の条件に差があります。
後期高齢者医療は、初回申請後に自動振込となる地域があります。ただし、全国一律に申請不要という意味ではありません。必ずお住まいの市町村窓口に確認しましょう。
必要書類・申請期限・支給までの期間
まず、次の書類と情報を手元に用意してください。
- 高額療養費支給申請書
- 資格確認書や資格情報
- 本人確認書類
- マイナンバーを確認できる書類
- 振込口座を確認できるもの
- 保険者が求める領収書や追加書類
- 代理申請の場合は委任状等
必要書類は保険者や申請状況によって変わります。「領収書は必ず必要」とも「不要」とも一律には言えません。いざという時のためにも医療費等の領収書は念のため保管しておきましょう。
協会けんぽの申請権は、診療月の翌月1日から2年で時効です。協会けんぽの申請案内から期限を確認できます。
支給には、診療報酬明細書の確認が必要です。協会けんぽでは、指定の口座に償還される金額が振り込まれるまで診療月から3か月以上かかると案内しています。
また、国保や後期高齢者医療では、支給通知が3〜5か月後になる例もあるため通知を待つだけでなく、期限前に加入保険者へ大体どの程度の期間を要するか確認しましょう。
マイナ保険証と限度額適用認定証の違い
マイナ保険証を使えば、事前の認定証申請は原則不要です。ただし、オンライン資格確認に対応した医療機関等に限られます。
窓口では、限度額情報の提供に同意する必要があります。資格確認同意後は、保険診療分の窓口負担額を最小限に抑えることができます。
次の場合は別の確認や償還払い申請が必要です。
- 複数の病院や薬局を利用した
- 世帯合算を行う
- 多数回該当を後から調整する
- 受診先がオンライン資格確認に対応していない
- 保険者へマイナンバーが登録されていない
- 低所得者の食事負担減額を受ける
協会けんぽでは、低所得者に別途申請を求めています。「限度額適用・標準負担額減額認定証」の詳細は限度額適用認定証の案内で確認してください。
認定証は受付月より前へ遡って交付されません。入院予定がある場合は、入院前に保険者へ必ず連絡しましょう。
支給前の資金が足りないときは貸付・付加給付を確認
医療費の支払い前なら、まず窓口負担を最小限に抑える方法を確認します。そのうえで医療費がどうしても支払えない場合は、各保険者の貸付制度を利用できるので事前に調べておきましょう。
協会けんぽには、高額医療費貸付制度があり、高額療養費の支給見込額の8割相当を無利子で借りられます。
申請には、貸付申込書や借用書などが必要です。詳しい条件は協会けんぽのFAQで確認してください。
国保や健康保険組合では、制度の有無と条件が異なります。あらかじめ加入する保険者へ直接問い合わせておきましょう。
健康保険組合には、独自の付加給付がある場合もあります。「健康保険組合名+付加給付」で、組合の公式規約を確認しましょう。
世帯合算・多数回該当・国保など条件別の注意点
高額療養費は、同居、転職、月またぎで結果が変わります。制度名だけでなく、保険資格と診療単位を確認してください。
世帯合算は「同じ住所」だけでは判断できない
世帯合算の「世帯」は、住民票上の同居だけではありません。基本的に、同じ医療保険に加入する家族を指します。
健康保険では、被保険者(本人)と被扶養者(扶養家族)が対象です。同居する夫婦でも、別々の医療保険に加入している場合は合算できません。
70歳未満では、自己負担21,000円以上の会計を合算します。計算単位は、受診者、医療機関、医科・歯科、入院・外来別です。
院外薬局の費用は、処方箋を出した医療機関の外来へ含めます。70歳以上は、対象となる自己負担をすべて合算できます。
協会けんぽのFAQには、複数医療機関の具体例があります。
多数回該当の数え方と保険者変更の注意
多数回該当は、入院等の長期治療の負担をさらに下げる仕組みです。直近12か月で3回該当すると、4回目から上限額が下がります。
該当月は連続している必要がありません。窓口で現物給付を受けた月も回数に含まれます。
一方、保険者が変わると原則として回数を引き継げません。次の変更時は、加入保険者へ確認してください。
- 健康保険組合から協会けんぽへ移った
- 退職して被保険者から被扶養者になった
- 会社の健康保険から国保へ移った
- 75歳になり後期高齢者医療へ移った
協会けんぽも、保険者変更時は月数を通算しないと案内しています。
70歳・75歳到達月と国保・後期高齢者の注意点
75歳になると、原則として誕生日から後期高齢者医療へ移ります。誕生月は、2つの保険制度に分かれる可能性があります。
月途中で75歳になる人には、限度額の特例があります。1日生まれを除き、両制度の個人上限がそれぞれ半額になります。
これは世帯上限全体を半額にする制度ではありません。詳しくは東京都広域連合の説明を確認してください。
国保と後期高齢者医療の申請窓口は地域で異なります。自動振込も、初回申請や世帯状況の条件があります。申請前にお住まいの市町村窓口に確認しておくと手続きがスムーズに済みます。
月またぎ・複数病院では自己負担が変わる
同じ100万円の治療でも、月またぎでは負担が増える場合があります。医療自己負担額の上限は1回ではなく、月ごとに適用するためです。
同じ月に治療が完結
1月の保険診療100万円 → 1月の上限を1回適用
月をまたいで治療
1月の保険診療50万円 → 1月の上限を適用
2月の保険診療50万円 → 2月の上限を適用
複数病院でも、各会計を自動的に一つへまとめるとは限りません。70歳未満では21,000円要件と計算単位を確認します。
ケース別:自己負担上限額・償還金額・高額療養費の対象外費用
家計への影響は、限度額だけでは把握できません。「自己負担上限額・償還金額・高額療養費の対象外」の3つに分けて考えます。
ケース1:69歳以下の会社員が手術・入院した場合
次の条件で考えます。
- 診療月: 2026年7月
- 年齢: 45歳
- 標準報酬月額: 28万〜50万円
- 保険診療の総医療費: 100万円
- 窓口3割負担: 30万円
- 食事・差額ベッド等: 5万円
| 支払い方法 | 今払う保険診療分 | 後で戻る概算 | 対象外費用 | 最終負担概算 |
|---|---|---|---|---|
| マイナ保険証等で上限適用 | 87,430円 | 0円 | 50,000円 | 137,430円 |
| 3割を払い事後申請 | 300,000円 | 212,570円 | 50,000円 | 137,430円 |
上限適用の有無で、最終負担は基本的に同じです。一方、窓口で一時的に必要な現金は大きく変わります。
ケース2:70歳以上・75歳以上で入院した場合
70歳以上の入院費は、一律57,600円ではありません。現役並み所得では、所得区分別の計算式を使います。
一般所得、住民税非課税でも上限が異なります。食事代や差額ベッド代は、上限に加えて負担します。
75歳以上では、初回申請後に自動振込となる地域があります。東京都は対象者へ最短4か月後に申請書を送ります。
神奈川県では、通常3〜5か月後に案内する運用です。地域差があるため、居住地の広域連合へ確認しましょう。
月途中で75歳になる場合は、到達月特例も確認します。誕生日前後で保険者が分かれる点にも注意が必要です。
ケース3:月またぎ・複数病院・世帯合算がある場合
次の3ケースは、総額が同じでも結果が変わります。
| ケース | 判断の要点 | 想定される結果 |
|---|---|---|
| 1月だけで治療 | 1月の上限を適用 | 上限適用は原則1回 |
| 1月と2月に分散 | 月ごとに上限を適用 | 負担が増える場合あり |
| 同居家族が別保険 | 同一保険ではない | 世帯合算できない |
別々の病院で21,000円以上を払った場合は、合算を確認します。マイナ保険証を使っていても、償還払い申請が必要になり得ます。
反対に、70歳未満で各会計が21,000円未満なら対象外の場合があります。領収書と診療月を整理し、保険者へ確認してください。
高額療養費制度のよくある質問
医療費を10万円払ったら、いくら戻りますか?
10万円を払っただけでは、払い戻し額を決められません。年齢、所得、診療月、総医療費、高額療養費の対象外費用で変わります。窓口負担10万円から、該当する月額上限を引いて概算します。ただし、複数病院や世帯合算では計算方法が変わるため注意が必要です。
マイナ保険証を使えば高額療養費の申請は不要ですか?
医療機関窓口では自己負担限度額が確認できるため事前申請は、原則として不要です。ただし、高額療養費の全手続きが不要になるわけではありません。世帯合算、複数医療機関、多数回該当では事後申請が必要な場合があります。低所得者の食事負担減額も、別途申請を確認してください。
医療費控除・高額介護合算療養費との違いは?
以下の3つは目的と申請先が異なります。
| 制度 | 対象 | 計算期間 | 主な申請先 |
|---|---|---|---|
| 高額療養費 | 医療保険の自己負担 | 1か月 | 医療保険者 |
| 高額介護合算療養費 | 医療と介護の自己負担 | 8月〜翌年7月 | 基準日の医療保険者 |
| 医療費控除 | 税法上の医療費 | 1月〜12月 | 税務署 |
医療費控除では、高額療養費を補填金として差し引きます。詳しい計算は国税庁で確認してください。高額介護合算療養費は、医療と介護の両方に負担がある世帯向けです。月単位の高額療養費や新設予定の年間上限とは別制度になります。
がん・透析・長期治療でも使えますか?
保険診療で上限を超えれば、抗がん剤治療でも対象になり得ます。先進医療の技術料は対象外ですが、共通する保険診療部分は対象になり得ます。疾病名だけで支給が決まる制度ではありません。人工透析を要する慢性腎不全などには、特定疾病制度(特定疾病療養受給証)があります。対象治療の自己負担上限は、原則として月1万円です。また、所得条件により2万円となる場合があります。血友病や一定のHIV治療も対象です。がん一般が特定疾病受療証の対象になるわけではありません。公費助成や自治体助成は、疾病・所得・居住地で異なります。加入保険者と病院の医療ソーシャルワーカーへ相談してください。
まとめ:加入保険と診療月を確認して申請先へ
高額療養費を確認するときは、次の順番で進めてください。
- 正式名称は高額療養費制度
- 最初に加入保険、診療月、年齢、所得区分を確認する
- 高額療養費は月の1日から末日までで計算する
- 2026年7月以前と8月以降の上限表を混在させない
- 窓口支払い前にマイナ保険証や高額療養費申請手続きを確認する
- 高額療養費申請前に医療費を自己負担した場合は加入している保険者へ申請する
- 入院時の食事代や差額ベッド代などは高額療養費の対象外として計算する
まず、ご自身の資格確認書またはマイナポータルを開いてください。
そこに記載された保険者名と、治療を受けた月をメモします。
次に、保険者の公式ページで必要書類を確認しましょう。申請期限や支給時期も同時に確認すると安心です。
2026年8月以降の診療分は、最新情報を確認してください。予定値が確定したか、厚生労働省と加入保険者で照合します。
*医療機関のマイナカードの読み取りリーダーが故障している場合、マイナカードとマイナポータルから資格情報の確認が取れれば保険診療として受診できます。PDFに保存しておくと便利です。