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連携強化加算とは?クリニックの算定要件・施設基準・届出を解説【医科診療所向け(外来)】

2026年6月26日 ・ 濱村

医科診療所(外来)の連携強化加算は、外来感染対策向上加算に上乗せする3点の加算です。 算定には、外来感染対策向上加算の届出と、基幹病院への感染症情報の定期報告が必要です。 この記事では、診療所(クリニック)向けに、算定要件、施設基準、届出手順を整理します。


【結論】医科診療所向け(外来)の連携強化加算は外来感染対策向上加算の上乗せ

クリニック(外来の場合)が確認すべき連携強化加算は、医科点数表の初診料・再診料等に関係する加算です。入院や薬局の連携強化加算とは別制度です。医科診療所外来版は、外来感染対策向上加算を届け出た診療所だけが届出できます

届出までの流れは3ステップです。

  1. 外来感染対策向上加算の届出要件を満たす
  2. 感染対策向上加算1の医療機関と感染症情報等に関する報告体制を作り、年4回報告の実績を積む
  3. 別添7様式1の5を地方厚生局へ提出する

2026年度改定後も、関東信越厚生局の令和8年度届出一覧では、連携強化加算は「外来感染対策向上加算の届出を行っている診療所のみ」が届出可能と案内されています(関東信越厚生局 基本診療料の届出一覧)。


連携強化加算とは?医科診療所外来版の制度概要と点数

医科診療所外来版の連携強化加算は、地域の感染対策ネットワークに参加し、感染症情報を継続的に共有する診療所を評価する加算です。外来感染対策向上加算の届出が前提になります。

診療所単独で完結する加算ではありません。感染対策向上加算1を届け出た病院など、地域の基幹的な医療機関との連携・報告が必要です。


医科版の点数と算定単位

項目(医科診療所(外来)版)連携強化加算
対象外来感染対策向上加算を届け出た診療所
点数3点
算定単位患者1人につき月1回(初診料または再診料等(※)に外来感染対策向上加算を算定するタイミングで加算)
中核要件基幹病院への感染症情報等の報告
届出様式別添7様式1の5
関連加算サーベイランス強化加算、抗菌薬適正使用体制加算

※初診料・再診料以外にも基本診療料が含まれる一部の医学管理料、一部の在宅医療及び精神科訪問看護・指導料算定時もいずれか月1回限り加算可能です。


一部の医学管理料

  • 小児科外来診療料
  • 外来リハビリテーション診療料
  • 外来放射線照射診療料
  • 地域包括診療料
  • 小児かかりつけ診療料
  • 外来腫瘍化学療法診療料
  • 救急救命管理料
  • 退院後訪問指導料

一部の在宅医療

  • 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)
  • 在宅患者訪問診療料(Ⅱ)
  • 在宅患者訪問看護・指導料
  • 同一建物居住者訪問看護・指導料
  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料
  • 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料
  • 在宅患者訪問栄養食事指導料
  • 在宅患者緊急時等カンファレンス料

外来感染対策向上加算との関係

連携強化加算は、外来感染対策向上加算を届け出ていることが前提です。外来感染対策向上加算は、診療所における感染防止対策、発熱患者対応、地域連携を評価する加算です。

外来感染対策向上加算の主な要件は次の通りです。

要件実務上の確認ポイント
感染防止対策部門院内感染管理者を決めているか
マニュアル整備標準予防策、経路別予防策、発熱患者対応を文書化しているか
職員研修年2回以上の感染対策研修を実施しているか
院内巡回感染管理者が定期的に確認しているか
地域連携医師会または感染対策向上加算1の医療機関と連携しているか
訓練参加新興感染症を想定した訓練に参加しているか
第二種協定指定都道府県から指定を受けているか
発熱患者対応受診歴の有無にかかわらず対応する体制を公表しているか

連携強化加算の算定要件【医科診療所(外来)版】

医科診療所(外来)の連携強化加算の算定要件は、外来感染対策向上加算の届出と、基幹病院への感染症情報の定期報告に集約できます。単に感染対策マニュアルを作るだけでは足りません。


算定できる医療機関

算定できるのは、外来感染対策向上加算を届け出た診療所です。関東信越厚生局の届出一覧でも、連携強化加算は外来感染対策向上加算の届出を行っている診療所のみが届出可能とされています。

確認項目判定
診療所である必須
外来感染対策向上加算を届け出ている必須
感染対策向上加算1の医療機関と連携している必須
報告項目を定期的に提出できる必須

入院や薬局で同名の加算があるため、混同しないことが重要です。入院版や薬局版の連携強化加算を調べて届出準備を進めると、様式(薬局の場合)も要件もずれてしまいます。


患者1人につき月1回算定

医科診療所外来版は、患者1人につき月1回の算定です。入院版の入院初日や薬局版の処方箋受付ごとに算定する制度ではありません。

月内に同じ患者が複数回来院しても、連携強化加算は外来感染対策向上加算を算定した同じタイミングで月1回までです。レセコンでは、通常自動的に月1回限りの算定に設定されていますが、再診時の重複算定が起きていないか確認しましょう。

届出後は、算定開始月の初回請求で次の3点を点検します。

  • 外来感染対策向上加算が正しく算定されているか
  • 連携強化加算が月1回で制御されているか
  • 対象の患者にもれなく算定されているか(初診料・再診料のみでなく、一部の医学管理料等(※)も加算対象になります。)
  • 対象外の患者に自動算定されていないか

連携強化加算の施設基準。クリニックが整えるべき報告体制

医科診療所外来版の連携強化加算で最も重要なのは、感染症情報を基幹病院へ定期報告できる体制及び報告実績です。形式的な届出ではなく、日常業務の中で報告データを集める仕組みが必要です。


基幹病院への年4回以上の報告

連携強化加算では、感染対策向上加算1の届出を行った医療機関に対して、過去1年間に4回以上、感染症情報等を報告する体制・実績が求められます。目安は3か月に1回です。

報告項目は、次のように整理できます。

報告項目診療所での確認方法
感染症の発生件数発熱外来、検査結果、診断名から集計
薬剤耐性菌の分離状況検査会社の結果、培養検査の記録を確認
抗菌薬の使用状況レセコン、電子カルテ、処方履歴から抽出
手指消毒薬の使用量購入量、在庫差引、使用本数で把握
アウトブレイク(感染症の集団発生時)対応発生時の記録、相談履歴、院内対応を保存

報告内容や報告方法は基幹病院が独自で定めたルールを案内しているケースが多いため、連携病院への確認が必要です。

≪参考≫大阪市城東区医師会ホームページでは報告書について記入例が掲載されています。

この報告は、診療所の感染対策を地域の基幹病院と接続するためのものです。単なる書類提出ではなく、地域の感染状況を共有する仕組みと考えてください。


報告体制チェックリスト

届出前に、次の項目を確認しましょう。

#チェック項目実務ポイント
1連携先の基幹病院を決めている感染対策向上加算1の届出医療機関か確認
2報告頻度の確認連携病院への報告が年4回以上、3か月に1回を目安に設定されている(連携先病院が設定)
3報告フォーマットがある基幹病院指定の様式があれば使用。なければ報告内容を基準に作成
4感染症発生件数を集計できる電子カルテや検査台帳から抽出
5抗菌薬使用状況を確認できる薬剤名、件数、期間を集計
6手指消毒薬使用量を把握できる購入・在庫管理で代替可能
7報告履歴を保存している提出日、提出先、提出内容を残す(1年に4回以上の実績が必要)
8院内担当者を決めているか医師、看護師、事務の役割を明確化

医科の実務では、算定要件そのものよりも「誰がデータを集め、誰が報告するか」が詰まりやすい部分です。


外来感染対策向上加算側の体制も同時に確認する

連携強化加算だけを見ても、届出可否は判断できません。前提である外来感染対策向上加算の施設基準を満たしている必要があります。

特に確認したいのは次の5つです。

  1. 感染防止対策部門と院内感染管理者が明確である
  2. 感染対策マニュアルを整備している
  3. 職員研修を年2回以上実施している
  4. 発熱患者の受入れ体制を公表している
  5. 第二種協定指定医療機関の指定を受けている

第二種協定指定医療機関は、都道府県と医療措置協定を締結した医療機関のうち、発熱外来や自宅療養者等への医療提供を含む協定を結んだ機関です。厚生労働省は医療措置協定のガイドラインを公開しています(医療措置協定締結等のガイドライン)。


連携強化加算の届出手続き【医科・診療所向け】

届出は、外来感染対策向上加算の体制と、連携強化加算の報告実績が整ってから行います。連携強化加算の届出に必要な様式1の5には4回分の報告実績の記載が必要となっています。


必要書類と様式

医科診療所外来版の連携強化加算では、別添7と様式1の5を使用します。関東信越厚生局の令和8年度届出一覧では、連携強化加算の様式として「別添7」と「様式1の5(連携強化加算等)」が掲載されています(関東信越厚生局 基本診療料の届出一覧)。

書類目的
別添7基本診療料の施設基準に係る届出書
様式1の5連携強化加算等の施設基準確認
連携先の確認資料感染対策向上加算1の医療機関との連携確認(求められた場合)
報告体制の資料報告頻度、報告項目、担当者の整理(求められた場合)
外来感染対策向上加算の届出状況前提加算の確認(求められた場合・既届出の場合は届出年月)

届出様式は、年度改定等で差し替わることがあります。最新版をご確認ください。


届出先と算定開始時期

届出先は、医療機関所在地を管轄する地方厚生局です。通常、施設基準の届出は、受理された月の翌月1日から算定できます。月の最初の開庁日までに受理された場合は、当月1日から算定できる扱いです。

地域により案内や提出先が異なるため、管轄の厚生局のページを確認してください。


届出前の実務チェック

届出前には、次の順序で確認すると漏れを減らせます。

  1. 外来感染対策向上加算を届け出ているか
  2. 連携先が感染対策向上加算1の医療機関か
  3. 以下4~7をふまえた年4回以上の報告実績があるか
  4. 感染症発生件数を集計できるか
  5. 抗菌薬使用状況を抽出できるか
  6. 手指消毒薬使用量を把握できるか
  7. 報告履歴を保存する運用があるか
  8. レセコンで月1回算定に制御できるか

届出後は、初回算定月の算定時やレセプト点検で算定状況を確認してください。事務担当者は、レセコン設定後(設定についてはベンダーからの案内に従ってください)の算定結果まで確認する必要があります。


サーベイランス強化加算・抗菌薬適正使用体制加算との関係

外来感染対策向上加算を届け出た診療所では、連携強化加算だけでなく、サーベイランス強化加算や抗菌薬適正使用体制加算も関係します。3つは同じ周辺領域の加算ですが、評価している体制は異なります。

加算点数評価する内容
連携強化加算3点基幹病院への感染症情報報告
サーベイランス強化加算1点JANIS等のサーベイランス参加
抗菌薬適正使用体制加算5点抗菌薬の適正使用を推進する体制

サーベイランス強化加算は、院内感染対策サーベイランス事業などへの参加がポイントです。抗菌薬適正使用体制加算は、抗菌薬の使用を適切に管理する体制が問われます。

いずれも、外来感染対策向上加算を起点に考えると整理しやすくなります。まず外来感染対策向上加算の体制を整え、その上で連携強化、サーベイランス、抗菌薬適正使用を追加で確認しましょう。

医科向け感染対策加算の確認順序

  1. 外来感染対策向上加算

    診療所の感染対策体制を整備

  2. 連携強化加算

    基幹病院へ年4回以上報告

  3. サーベイランス強化加算

    JANIS等への参加を確認

  4. 抗菌薬適正使用体制加算

    抗菌薬使用の管理体制を確認

連携強化加算は外来感染対策向上加算の届出が前提


2024・2026年度改定での変更点

医科診療所外来版の連携強化加算では、2024年度改定で外来感染対策向上加算の施設基準に第二種協定指定医療機関の指定が追加されました。これにより、単なる院内感染対策だけでなく、新興感染症発生時の地域対応体制も問われるようになりました。

2026年度改定では、連携強化加算そのものよりも、関連する外来感染対策向上加算の届出、施設基準通知の確認が重要です。厚生労働省は令和8年度改定の告示・通知・様式を公開しています(令和8年度診療報酬改定について)。

年度医科診療所外来向けの確認ポイント
2024年度第二種協定指定医療機関の指定が重要に
2025年度経過措置後の届出状況、都道府県指定の確認
2026年度令和8年度様式、通知、疑義解釈を確認

公開前・更新時には、次の資料の最新情報を確認してください。

  • 医科点数表
  • 基本診療料の施設基準通知
  • 様式1の4、様式1の5
  • 疑義解釈資料
  • 管轄厚生局の届出一覧

入院版・薬局版の連携強化加算との違い

医科外来向けの記事でも、入院版・薬局版との違いは押さえる必要があります。検索結果では、入院基本料等加算や薬局向けの加算の記事が多く表示されるためです。

項目医科診療所外来版入院版薬局版
点数3点30点5点
算定単位患者1人につき月1回入院初日等処方箋受付1回につき
対象診療所診療所・病院保険薬局
前提外来感染対策向上加算感染対策向上加算2・3調剤基本料
中核要件基幹病院への感染症情報報告基幹病院への感染症情報報告災害・感染症時の調剤体制
届出様式様式1の5様式1の5様式87の3の4

医科診療所外来版の実務では、入院料や地域支援体制加算・調剤基本料は関係しません。入院版の「入院初日に30点」や薬局版の「処方箋受付1回につき5点」という説明を、診療所(外来)の算定に当てはめないでください。

逆に、薬局が医科版の「患者1人につき月1回や入院初日」を参照すると、薬局版の算定回数を誤る可能性があります。名称が同じだけで、算定構造は別です。


よくある質問(FAQ)

Q. 医科の連携強化加算とは何ですか?

外来感染対策向上加算を届け出た診療所が、感染対策向上加算1の医療機関へ感染症情報などを定期報告する体制を評価する加算です。点数は3点です。


Q. 連携強化加算はどのクリニックが算定できますか?

外来感染対策向上加算を届け出ているクリニックが対象です。外来感染対策向上加算の届出がない場合、連携強化加算だけを単独で届け出ることはできません。


Q. 連携強化加算は月何回算定できますか?

医科診療所外来版は、患者1人につき月1回です。レセコン設定でも月1回制御を確認してください。


Q. 連携強化加算の届出様式は何ですか?

医科版では、別添7と様式1の5を使用します。令和8年度版の届出一覧でも、連携強化加算の様式として様式1の5が案内されています。薬局版の様式87の3の4ではありません。


Q. 外来感染対策向上加算との違いは何ですか?

外来感染対策向上加算は、診療所の感染対策体制そのものを評価します。連携強化加算は、その上で基幹病院へ感染症情報を報告する連携体制を評価します。


Q. 基幹病院へ何を報告しますか?

感染症発生件数、薬剤耐性菌の分離状況、抗菌薬の使用状況、手指消毒薬の使用量、アウトブレイク時の対応状況などです。年4回以上の報告体制・実績を作りましょう。


Q. サーベイランス強化加算とは違いますか?

違います。連携強化加算は基幹病院への情報報告を評価します。サーベイランス強化加算は、JANIS等のサーベイランス参加を評価する加算です。


Q. 入院や薬局の連携強化加算と同じですか?

同じ名称ですが、別制度です。医科診療所外来版は3点、患者1人につき月1回です。薬局版とは届出様式も異なります。


まとめ

医科の連携強化加算は、診療所の感染対策を地域の基幹病院とつなぐ加算です。入院版や薬局版の情報が検索結果に多いため、医科診療所外来版として必要な要件に絞って確認してください。

  • 医科診療所外来版の連携強化加算は3点
  • 外来感染対策向上加算の届出が前提
  • 対象は診療所(クリニック)
  • 算定は患者1人につき月1回
  • 届出様式は別添7と様式1の5
  • 中核要件は基幹病院への年4回以上の報告体制及び実績
  • 入院版や薬局版の加算とは別制度

まず、外来感染対策向上加算の届出状況を確認してください。次に、感染対策向上加算1の医療機関との報告体制を整え、実績を積みます。最後に、様式1の5と管轄厚生局の令和8年度様式を確認し、届出準備を進めましょう。